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よく聞く鳥の呼び方 その1 その2 その3

よく聞く“渡り鳥”ってなんだろう
◇渡りについて 
鳥の中には熱い季節が嫌いな鳥や寒い季節が嫌いな鳥がいます。そこでそのような鳥たちは自分たちの住んでいる場所が寒くなったり熱くなったりすると、より過ごしやすい日本などに毎年群れをなして飛来して来ます。それを“渡り”と言います。なぜ“渡り”をするのかという事についてはまだ解明されていない部分が多くはっきりとした理由はわからないそうです。中には「昔から渡りをしているから習慣で“渡り”をしている」と言う専門家もいます。そんな人間の勝手な研究を知ってか知らずか鳥達は子育てや繁殖が終わるとまた外国に飛んでいくのです。そしてそのような鳥たちを“渡り鳥”と言います。
鳥の素材 フリーバード
“渡り鳥”は春から夏にかけて日本にやって来て雛を育てる“夏鳥”と、繁殖地が氷などに覆われたり食料が少なくなったため日本にやってくる“冬鳥”それと目的地から目的地に行く間に日本で一休みしていく“旅鳥”などに分けられます。しかし例外もたまにあります。“渡り鳥”の代表選手のように言われるツバメですが全部が全部渡りをするかというとそうでもありません。愛知県の浜松市付近では日本で冬を越す“越冬ツバメ”を見ることが出来るそうです。冬にツバメを見ることが出来るなんて羨ましいですね。もちろん“渡り”をするのは鳥だけではありません。イメージはちょっと違うかもしれませんが“魚類”では鮭、うなぎなどが有名ですし“哺乳類”ではトナカイ、カリブーなどの集団移動も“渡り”の中に入ります。

◇渡りの時間帯  
飛ぶスピードの速い鳥や体の大きな鳥を除きほとんどの鳥たちは渡りを夜行います。いろいろな理由はありますがやはり外敵に狙われにくいのが一番の理由のようだ。渡り鳥は昼間は約900メーターぐらいの高度を飛行しているが夜の間は約半分の高度を取る。つまり体力的にも安全面を考えても夜のほうが都合がいいのだろう。

◇恐怖の灯台  
暗い空をどうやって目的地まで飛んでこれるのか?そうです昔の漁師さんと同じです。星座を目印に飛んでいくのです。しかしそれが裏目に出ることがある。灯台の光を星と勘違いするのか、光に吸い込まれるのか灯台に激突して亡くなる鳥が後を立ちません。夜“渡り”をするか昼間するかは鳥たちに任せるしかないようです。
※灯台にぶつかったり光の回りを飛んでいるうちに落ちてしまうおもな鳥
アカショウビン、カッコウ、アオバズク、オオミズナギドリ、チョウゲンボウ

渡りのトラブル

◇異常気象  
自然現象ばかりは人間だって鳥だって変える事は出来ません。暖冬、冷夏、大雨どれも鳥たちにとって死活問題です。暖冬の時はどうしても日本に渡ってくる時期がずれてしまいますし大雪の時はエサが取れなくなってしまいます。冬鳥たちはそんな時わざわざ雪が少なく氷の張っていない湖を求めて普段の年より南下して越冬しなくてはなりません。それは鳥たちにしてみればよけいな体力を使う、とともに危険も増すのです。あまり影響を受けないだろうと考えられる夏鳥たちにしても、冷夏になったら大変です。大切な繁殖期に長雨が続くと植物の成長が遅れエサ不足になるのです。親鳥は長年の経験で何とかエサは見つけるでしょうが、巣立ったばかりのヒナ鳥は寒さと飢えで体が弱り外敵に襲われたり地面に落ちてしまう鳥も出てきます。

◇悪天候(アラシ)  
鳥たちが迷鳥になる一番の理由がこれである。強烈な風で仲間からはぐれたり最悪の場合海に落ちてしまいます。渡りの途中でアラシ(特に向かい風)にあったら小鳥などひとたまりもありません…日本ではありませんがミネソタ州で春の吹雪に見舞われてふたつの湖で合計75万羽のツメナガホオジロが残念な結果になってしまった記録が残っています。それぐらい気象の変化は鳥たちの生死を分けるのだ。