よく聞く鳥の呼び方 目次 戻る |
夏鳥(なつどり) ◇日本で卵を産んでヒナを育てます 春になると鳥たちが急に増えます。そうです南の越冬地から集団で“夏鳥”たちが飛来してきたのです。暖かい所の好きな“夏鳥”たちはこの日本で繁殖し、かわいいヒナを育てます。そして秋になって寒くなってくると又もとの越冬地の南の国に帰って行くのです。その代表的な物はなんと言っても“ツバメ”です。あとおなじみの物として“アオバズク、サシバ、ホトトギス、カッコウ”などがあります。 ◇繁殖 ほんらい鳥は仲間同士引き合う力が働いて“群れ”を作って生活しています。でもエサの関係や敵から身を守る意味からほとんどの鳥は繁殖期に、つがいで行動する。(コロニーを作る鳥は逆に群れになる) 繁殖地とはその鳥の巣が見つかった地域全体のことを総称して呼んでいる言葉です。繁殖経験をもった鳥は毎年例外もありますがほとんど同じ場所に帰って繁殖をする傾向にある。しかし若い固体はそんな事にこだわらず自分たちの好きな場所に行って繁殖を繰り返します。 でもそんな鳥ばかりではありません。普段から集団で暮らし、繁殖する時もコロニー(巣の集まり)を作る鳥は、若い固体も自分の生まれた場所に戻ってきて繁殖をする傾向にあります。 ※コロニーで繁殖するおもな鳥 ウミネコ、サギ類、ウ、カツオドリ、ハジロカイツブリ、ツバメチドリ、コアジサシ 冬鳥(ふゆどり) ◇日本に子供を連れて来て過ごします 寒い方が好きな“冬鳥”たちは日本よりずっと北のシベリアなどで繁殖します。しかしいくら寒い方が好きでも、極寒のシベリアでは冬になると湖は氷で覆い尽くされ肝心のエサを取る事が出来なくなります。そこでヒナを引きつれ“ファミリー”でエサの沢山ある日本にやって来てヒナを育てるのです。春になり暖かくなると又もとの涼しい北の国に帰って行きます。代表的な鳥はハクチョウ、ナベヅル、ヒシクイなどです。 ◇越冬地 冬の期間“冬鳥”と言われる鳥たちが確認される地域全体のことを“越冬地”と言います。標識調査の結果では冬鳥たちは、毎年とは言わないまでも数年間は同じ越冬地に帰ってくる傾向にあり、カモ類は50%程度の確率で帰って来たそうです。(もちろん鳥の種類によってその確率は変化する) ◇昔の人の“渡り”の考え方 その1 おんぶ説 小鳥などは長い距離をとびつづけるのは不可能なので、大きな鳥の背中に乗って海を越え目的地まで行く…と考えられていた。この“おんぶ説”は結構信じられていて最近の“鳥の本”でもわざわざ「そんな事はありません」と否定しているくらいである。ある種の水鳥がヒナを背中に乗せて泳ぐ所からそう思っている人が多いのであろう。 その2 突然変異説 鳥はある時期(渡りなどで突然、鳥が消えてしまう時)ある種の鳥が違う種の鳥に変化すると考えていました。アリストテレスは“ヨーロッパコマドリ”が“シロビタイジョウビタキ”に変化すると説いています。その事からもわかるように昔の人たちは突然今までいた鳥が消え、違う鳥が現れる事をかなり不思議に思っていたのです。 旅鳥(たびどり) 秋と春の渡りの途中で日本に立ち寄る“渡り鳥”の事。“旅鳥”はシベリアなどでヒナを育て湖が氷で覆われエサが取りにくくなると日本よりもっと南の国で冬を過ごすため“渡り”をします。日本には休憩を取るため2〜3週間滞在し体の疲れが取れると又、南の国を目指して“渡り”を再開します。 春になり暖かくなると日本で休憩を取りながら元の北の国に帰って行きます。つまり“旅鳥”は一年のうち“秋と春”の二回、日本で姿を見ることが出来るのです。 |
参考資料:講談社 鳥についての300の質問/山と渓谷社 野鳥/勁文社 野鳥大百科 その他
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