鳥尾の少年時代   その6    もどる



NO.20 とんぼとり

とうちゃん達がまだ子供だった頃トンボは珍しくもなかった。今の子供はシオカラトンボや麦ワラトンボを見たことがあるのだろうか?空中でひらひら舞うハグロトンボを知っているだろうか?私たちが子供だった頃は何匹トンボを捕ったかではなく何種類捕ったかを競ったものである。その頃もやっぱりオニヤンマ、ギンヤンマが王様だった。

子供たちよ君達が大きくなったら虫たちが住める環境が果たして残っているのだろうか…まだトンボが残っているうちにもっとトンボを日本中に復活させたいものです。それではトンボがまだいっぱいいた頃のトンボの捕り方を教えよう。


一番簡単な方法は習性を利用するやり方だ。トンボは義理堅く同じコースを飛行する習性がある。イラスト

トンボの通りそうな所に棒を立て、ひたすらトンボが棒に止まるのをじっと待てばいいのだ。トンボが棒に止まったらもうしめた物!そーっと時速0.5キロのスピードで近づきマッハ1のスピードで虫取り網を振り下ろすべし!

(そのとき虫網の中にトンボが入ったのを確認後、手首のスナップを利かせ虫網を回転させながらトンボの逃げ道をふさぐことを0.1秒でやらなければならない)

ひじょうに卑怯なやり方だが、とにかく子供にトンボをプレゼントすることを優先しなければならない。仮にオニヤンマがゲットできたらもう完全に君はヒーローになれる。

後このオニヤンマを使ってギンヤンマを友釣りすることもできる、オニヤンマを糸で結び空に放すのだ。ギンヤンマと交尾しているのか喧嘩をしているのかわからないが、とにかくバトルをしながら地面に落ちて来るのでそこを網で捕まえればいいのだ。ぜひ試してみょう。

NO.21 ザリガニ釣り

イラスト

ちょっとさわるとガンをつけられた不良のように「何じゃこら!やるんか?ああ」とはさみを振り回すとっても危険な動物である。そのくせ脱皮をして体がやわらかい時は借りてきた猫のように隅っこにじっとして非常におとなしい。しかしこの臆病さが曲者だ。とにかく手元まで釣り上げるのは至難のわざと言っておこう!

簡単のようで意外とおくの深い釣りである。餌は肉なら何でもいい。めんどくさかったら竿もいらない、糸だけでもじゅうぶん遊べる。水面まではついてくるのに少しでも水面から顔が出るとぱっと逃げてしまう。それでいて餌を投げると又こりもしないですぐ食いついてくる。これの繰り返しである。でもその釣れそうでなかなか釣れないプロセスが面白い。

水面の中に前もって網を入れておいてそこまでザリガニを誘導するのが一番やさしいやり方です。網の上まで来たからもう取れるぞと思うのは捕らぬタヌキの皮算用。そこからが難しい網をぴくりと動かすとサーっとギアをバックに入れ猛スピートーで逃げてしまいます。そこまで計算に入れ十分手元にひきつけた後電光石火の早業でザリガニを己の物にしよう。

それではつまらないと言う人は草の先にリングを作ってザリガニのはさみをつかむやり方がある。強くつかむとはさみが取れてしまうのでなかなかテクニックを必要とする。これは苦労する割に確率は低いが面白さ度は五つ星であろう。

でも一番面白いのは素手で捕まえるやり方です。たまに挟まれて血が出たりしますがそんな事気にしてたらザリガニ捕りを極めることはできないのだ。(しかしバケツいっぱい捕ったザリガニ一体どうしたんだろう?ぜんぜん覚えていないってところが悲しい)