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NO.9 「見習いサンタ・クロース」  

見習いサンタの「ターボ君」は自分も早くプレゼントを配りたくてどうしょうもありません。しかし、おじいさんサンタは「おまえにはまだ無理じゃ」と許してくれません。でもおじいさんは本当は嬉しいのです。

年をとって体も言う事を聞かないし、そろそろ引退しようかと思っていたところだったからです。でも自分の口から「手伝ってくれ」とはなかなか言えません。何とかターボ君に手伝ってもらういい方法はないものかと、いつも考えていました。

そんなある年のクリスマスの日、なんとおじいさんサンタは大事なプレゼントの袋と自転車をトナカイのソリに積まないで出かけて行ってしまったから、さあ大変。ターボ君は慌ててプレゼントの袋を背負うと自転車にまたがり急いでおじいさんの後を追いました。

ターボ君はプレゼントを配る望みがかなって大喜びで出かけたろって?とんでもない。「世界中の子供にプレゼントを手渡したい」ただその思いだけでした。

ターボ君の働きで何とか世界中にプレゼントを無事配る事が出来ておじいさんサンタは大喜び、ごほうびにターボ君もトナカイのそりはまだまだですが自転車でならプレゼントを配る事を許されました。

今年のクリスマスは鈴の音の代わりに自転車のベルの音が聞こえるかもしれませんよ。もし星空に自転車のベルの音が聞こえたらそれはきっとターボ君です。大空に向かって「ターボ君ガンバレー」って言ってみてね。プレゼントが落ちてくるかもしれないよ。

……ひょっとするとおじいさんサンタはわざとプレゼントを忘れたのかもしれないね……

でもそれはおじいさんサンタだけの秘密です。世界中の子供にメリークリスマス。