新潟県・方言と伝承話による鳥名の由来    戻る



トラツグミ


この鳥は全国で不気味な鳥として多くの民話もしくは言い伝えが残っている。その昔近衛天皇が病のふちに立っていたとき夜な夜な不気味な声で鳴きつづけ天皇を寝不足にさせ病を長引かせたという。

京都御所の上でも毎夜鳴き続け宮中の人々を悩ました。それを退治したのがその当時有名だった源三位頼政で世にいう「ヌエ退治」の一説である。

その褒美として頼政は宮中から「あやめ御前」をさずかりました。その後頼政は平家打倒の命を受け兵を上げたがその戦に破れ、あやめ御前は越後の国、弥彦(新潟)の巻町竹野町へと難を逃れ生涯を過ごす。

そして、そこには奇妙な偶然がある。トラツグミが一番新潟県内で生息しているのが
角田山、弥彦山で5月の初めから8月頃まであの不気味な声が毎夜聞こえる。これは頼政に殺された「ヌエ」の恨みで頼政の子孫を苦しめるため、わざわざ「あやめ御前」が生涯を過ごした土地に飛んで来てうらみ返しているのだそうです。




新潟県の方言

ヒドリ/トラツグメ/テングドリ/ヌエ/ヒキウン/ヌエツグミ/ジゴクドリ/オオツグミ/シマトラ

  写真提供:とりとり探検隊(大阪副支部長)