4年3組・生き物係    目次 戻る
【にわとり】  養鶏場編パート1

一番身近な鳥といったら私の場合“にわとり”である。おじさんが養鶏場をしていた関係でいつもにわとりを見に行っていた。養鶏場はヒヨコを育てる所と卵を産ませる所…そして食用のための肉を取る所と3つのブロックに分かれてた。

私がおもに遊びにいったのはヒヨコを育てる所だ。ここで育てられたヒヨコは食用のオスと産卵用の雌とに分けられる。オスの中にはまれに繁殖用に処分されずに寿命をまっとうする者もいる。オス・メスの見分け方はまさに神業で職人さんがお尻を見てあっという間により分けていた。


オスとメスは完璧に仕切られた“にわとり小屋”で別々に育てられた。オスはしばらく育てて若鳥になると食肉に回された。メスも同じくしばらく育てられると“産卵用”と“繁殖用”に分けられ、それぞれ与えられた仕事をこなすのだ。

やはり見ていて一番面白いのは繁殖用のにわとり小屋だ。今風に言えば“地鶏”である。大きな“にわとり小屋”で育てられ、金網で隔離されてはいるが青空の見える広い地面の上で好きなだけエサを食べ有精卵を産むのだ。私はその“にわとり”に菜っ葉をやったり掘ってきたミミズを手渡しでやって大喜びしていた。

“にわとり小屋”のミミズは食べ尽くしたはずなのに一生懸命蹴爪で砂を掘っている。その砂の掘り方は半端ではなく誰かが砂を掘り始めるとその近くにいたにわとりは全部回りから居なくなるほど砂を蹴り上げた。中にはミミズが居なくて頭にきたのか掘った穴に卵を産んで行くつわものもいた。

時々おじさんにつれられてその中に入り有精卵を飲ませてもらった。「どうだおいしいだろ?無精卵とはやっぱり違うろ」おじさんは得意顔で自分も卵を飲んでいる。私は卵のお礼に巣箱や地面に産んだままになっている卵を拾い集めると、孵卵器まで持っていってやった。

どうして親鳥に暖めさせないのだと思う向きもあろうと思うが“ハクショクレグホン”は基本的に卵を暖めない。そこで卵を産んだらすぐに卵を孵卵器に移す必要があるのだ。

(ちなみに、にわとりの数が少なく孵卵器を使うほどでもないない農家の人は孵卵器の代わりに“チャボ”に卵を暖めさせた。この“にわとり”は卵を暖めるのが上手くほぼ90%卵をかえしてくれる)

孵卵器のある小屋まで卵を持っていくと職人さんが現れ卵を受け取った。中はどうなっていたかわからない。私が入れてもらえたのはそこまでで後は“関係者以外立ち入り禁止”になった。

しかしその隣にあったヒヨコの施設には自由に入れてもらえた。もちろん機械類に手を触れる事は許されないあくまでヒヨコを見たり手で触ったりする事のみだ。多分おじさんが私の性格を知っていて「入るな」と言っても絶対入るだろうと思い特別に許可してくれたのだろう。職人さんも私が施設に入っても「おっ又来たか」と、にこにこ、してるだけで別に注意もされなかった。